最近、跪きたくなるような出来事がよく起こる。
李安監督の映画《色・戒-lust caution-》、日本では1月から公開と聞いた
けど、コレ、絶対見たほうがいいっ
(パンチです)
中国語ブログにも書いて、ここでも書いてる位、もう興奮冷めやらぬ状態です。
マスターピースってこういうものなのだなぁととても感動したの。
私が好きなシーンは、易夫妻の住む屋敷で奥様方がマージャンをやっているシーン。
中国のこういう時代やそれ以前を描いた映画にはよく出てくる女性だけのマージャン
シーンなんだけど、優雅で気だるい雰囲気を描く事でよく見る。
ところがね、この映画ではそうは撮ってないの。
全景なし、全部アップで、切り替えも早くって、パイを捨てる勢いとカメラワークが
すごい合ってる。そして会話も同じ位の勢いで進むの。
画面ばかり見てたら話が飛んじゃいそうで。すごい。
それに中で描かれている人物一人一人が生きている。
意味があるの、そこにいる意味が。
美しくって、美しくって。。。
絵的にも美しいんだけど、人物同士とストーリーと、
その配置って言うか、関係性っていうか、それが
とてもとても美しくって。
中国大陸バージョンは2時間半位にカットされてるんだけど(ベッドシーンがね、
でも絶対変な意味でのベッドシーンじゃないと思った。その後の主人公の
生き方に関わるようなシーンだと思う)、それだけ長い映画でも長いと感じ
なかった。見終わった後は、その世界から抜け出すのが辛い感じすらした。
中国語ブログにも書いたんだけど、私は、中で易太太(易家の奥様)役の
陳冲さんって女優さんがとっても好き。
姜文監督の《太陽照様昇起》でもお医者さんの役で出演なさっていたけど、
本当に素敵な女優さんだと思う。演じるってこういう事なのだと考えさせられる。
陳冲さんの演じる女性は毎回全然違うの。この二作品を見てもらったら分かると
思う。本当にすごいんだ。こうなりたい、って思います。ハイ、頑張りますよ、
私も。
この映画には、私が去年ドラマでご一緒した何賽飛さんも出演なさってました。
何賽飛さんってとてもセンシティブな方で、だからか、私が当時抱えていた
問題をすっと見抜いて、それでアドバイス下さった事が忘れられない。
詳しくは中国語ブログに先に書いちゃったんだけど・・・
とにかく自分である事を忘れないように、って仰って下さった。
中国で生活して、俳優をやっていると、色んな事が起こる。
いい事もあれば、本当に心臓をえぐられるような事も。
俳優としては、何ていうか、日本にいる方にはピンと来ないかもしれないけど、
日本人に対する見方と日本人女性に対する見方ってのがあって。
だから演じる人物が日本人だと結構パターン化されているのです。
私は、そういうの面白くないって思っちゃうから、台本の指定する中での
挑戦を試みる訳です。
それ以前に日本人に対する見方も結構固定されていたりするし。
だからね、日本人俳優がこの狭い中でやってる事に対する見方ってのも
伝わってくる。“日本代表”になっちゃう事もあるんです。
この日本人達が全ての日本人の凝縮系になっちゃうんです。
そんな事!って思うんだけど、あるんです。
笑えちゃうけど。
そんな事を何賽飛さんは、あなたは間違ってない、気にしちゃだめだよ!って。
その時は意味が分からなかったけど、最近ちょっとずつ分かってきた。
これもそうかも知れない。最近ちょっと有難い事がいくつか起こってるの。
私がずっと信念として来た事を、それが当たり前であるかのように仰って下さった
方との出会い。
あぁ、間違ってなかったのかも!と思わせてくださったMさん、どうもありがとう
ございます。ちなみにMさんの好きだと仰ってたjulie london、実は小さい時に
誰が歌っているとも知らずにずっと聞いてた。
ね、こういうのって不思議だけど、きっと繋がりはあることだと思う。
そしてこの映画《色・戒-lust caution-》、見るチャンスがあって良かった。
素晴らしい時間だった。
素直にまっすぐ進むのみ!(花柳瀧紅先生)って言葉もあったなぁ。。。
うん、先生、頑張るよ!